全天球パノラマ写真は体験を伝える!
超広角・パノラマ写真の使われ方
まずはこの写真を見て、この写真に何とタイトルをつけますか?
あなたが哲学者でなければ、間違いなく「サボテン」と回答したことでしょう。
次にこの写真には何とタイトルをつけますか?
素直に「サボテン」と名付けるか、「2つのサボテン」や「街中のサボテン」のように周囲の情報を加味して名付けるか、少し頭を悩ませたと思います。
実は1枚目の写真は、2枚目のパノラマ写真から切り取ったものでした。
私たちは誰もが写真で何かを「伝えたい!」と思ったとき、その主題と関係しないモノを排除するように写真を撮っています。 伝えたいことが別々のテーマで複数個ある場合は1枚の写真にはせず、複数枚の写真とともに表現しているはずです。
例えば飲食店で写真を撮る場合は次のように、それぞれ別の写真として撮っていることでしょう。
- 美味しい料理を自慢したいときは「料理の写真」
- 落ち着きのある店内の雰囲気を伝えたい場合は「内装の写真」
- 住所を伝えたいなら「入口の写真」
では数多くの情報を1枚の写真に納めることをしないのか?
こちらはスナップ写真や記録写真の場合に「この瞬間を残したい!」と思ったとき、こちらも日常的に行われていますが、「伝えたい」思いよりも「残したい」思いが強いことからプライベートな写真になりがちです。
では情報量が多く、伝えたい思いで撮られたものには、どのようなものがあるでしょうか?
- 登山の末に山頂から撮った美しい大自然のパノラマ写真
- 自分では成しえないスポーツにおけるアクションカムの超広角映像
- 休日の旅行先選びに眺めるストリートビュー
これらはすべて画角が広い写真や映像で表現され、その場の「体験」を共有する手段で使われています。
体験を共有していると意識して2枚の写真を見比べると、2枚目のパノラマ写真は「街中にサボテンが置かれている体験を共有された」と思いませんか?
全天球パノラマ写真は究極の体験共有方法
さっきまでのパノラマ写真ですら切り取られたパノラマ写真でしたが、これを更に上下左右360度全てを1枚に収めることも可能です。これを通常のパノラマ写真と区別するために、全天球パノラマ写真(全天球写真)と呼ぶこともあり、残すための記録や体験の共有方法としては究極系です。
縮小版にはなりますが、実際に弊社オフィス内をGoogleストリートビューへ掲載する際に使用した画像をお見せします。
全天球写真は「正距円筒図法」や「エクイレタングラー」と呼ばれる、世界地図と同じような形式の画像です。この写真のままでも部屋全体を見渡すことは出ますが、世界地図と同様に上下部分が左右に引き延ばされており、画像の左右も繋がっていないことから見難いかと思います。
全天球写真表示のための専用ソフトを使ったり、ストリートビューへ投稿することで、誰でも簡単に360°自由に見渡すことができます。
全天球写真は誰でも撮影することができ、現在では4万円未満の市販されている 360°カメラを使用してもストリートビューに投稿可能な最低限の画質が担保されています。もちろん印刷品質を求める場合は10万円するカメラ機材や、一眼レフ撮影した写真を合成した全天球写真には解像感や精細さは劣ってしまいますが、「誰でも簡単に体験を共有できること」の方が画像品質よりも重要です。もしも何か「伝えたい!」と思えるものがある場合は、通常のスマホで撮れてしまう写真も一緒に見せてあげれば良いのです。
繰り返しになりますが通常の写真と全天球写真は相反するものではありません。何を伝えたいのか目的に合わせて使用することで、これまでより効果的に気持ちや考えを表現することができます。